テスラやスペースXに共通するところ
テスラのモデル3が欲しい!と前に書きましたが、いや全世界でめちゃくちゃ売れてますね。市川市が公用車に採用して一悶着ありましたが、テスラは高額車であって、高級車ではないのでマスコミもよく理解してないのがわかります。
イーロン・マスクの会社なわけですが、私は彼の会社に共通した部分があると思っています。
テスラ
スペースX
ニューラリンク
それは、小さいものを集約して大きな力にするための、管理・制御技術です。
例えば、テスラのモデル3に使われているバッテリーを見てみましょう。
モデル3ではこの単3電池が大きくなったような形の Panasonic製の 21700というバッテリーを 4416個使って 1つのバッテリーユニットを作っています。この電池 1つの大きさは、直径が21mmで長さが70mmです。ユニット全体で 80KWhの容量です。
これまでは、もう少し小さいサイズの Panasonic製の 18650というバッテリーを使っていまいしたが、コバルトの量をより少なくし(コバルトは高価なので、電池の材料の価格に占める割合が大きい)、1セル当たりの容量を少し大きくしたものを新しく採用しました。
ちなみに、日産リースではレトルトパウチされた形の特殊な形状の電池を使っています。このお弁当箱1つに付き中にこのバージョンだと 4つ、現在のモデルだと 8つの電池が格納されています。しかも空冷です。
話をモデル3の電池に戻すと、先程の 21700バッテリーを 46本を並列に接続したものを1塊としています。1つのバッテリーユニットは 4つの簡易バッテリーモジュールシステムに分けられています。外側の2つのモジュールには、それぞれ23塊、内側の2つのモジュールには、それぞれ25塊が直列に接続されています。そしてそれらの隙間に波打つようにバッテリー温度が調整できるクーラントが流れる中空の板が挟まっています。
冷却に関する特許をテスラは持っていますので、詳しくはこちらをどうぞ。
https://patents.google.com/patent/US20110212356A1/en
また、バッテリーマネジメントシステムでは 1本単位で電圧を監視して、確実にバッテリーの充放電ができる様になっており、各バッテリーの電圧差が 100分の 1以下になるように管理されています。
バッテリーの劣化をなるべく少なくし、バッテリーの性能を確実に引き出すために必要な技術が、温度管理と電圧差の均質化です。
温度によってバッテリー寿命は著しく低下しますし、劣化も早めてしまいます。
また、電圧差を均質にしないと充電時に他のバッテリーより放電できていないバッテリーが混ざっている場合、電池が破裂したり、発火する可能性があります。
テスラは車自体も素晴らしいのですが、電池マネジメントが非常に優れているメーカーです。
また、スペースXの例で見ますとロケットエンジンの数がこれまでの大型ロケットとかなり異なることがわかります。
例えばアポロ計画で使われたサターンロケットはものすごく大きなロケットエンジン 5気を使っています。(中央は固定であとの 4つの角度を可変することができます。)
スペースXの Falcon Heavyでは合計 27つのロケットエンジンを利用します。
状況を細かくモニタして制御することで、大型ロケット専用エンジンを利用せずに、同社が持つ大中小のロケットで同じエンジンを利用することができるためコストを削減することができます。
ニューラリンクはあまり詳しくはありませんが、これまで数本から多くても 10本程度だった疾患治療用の針の数を 1000本と非常に多くすることでより細かく脳の動きをモニターすることができます。
ね、なんとなく共通点だと思いません。
きっとこれがコア技術なんだと思います。
それでは!